趣意文
2018年9月10日制定
2019年3月20日改定
「かめっこ ほーむず」趣意文
「かめっこ ほーむず」は、こどもやその保護者、および地域の人々に対し、無料または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する活動(居場所)です。
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、日本は米国、中国に次ぐ世界第3位の経済大国でありながら、7人に1人が貧困にあえぎ、ひとり親世帯では半数以上が貧困に苦しんでいると言われています。
また、昨今の核家族化や共働き世帯の増加に伴い、こどもの孤食や偏食、欠食の課題、また子育て世帯の地域での孤立が表面化しており、「自助」や「公助」だけでなく、「共助」による支え合いが求められています。
現在、江東区内でこども食堂は10カ所以上開設され、また江東区社会福祉協議会により、「江東こども食堂ネットワーク設立に向けた連絡会」が開催されております。なお、亀戸地区においては、亀戸9丁目にある「亀戸ふれあいセンター」(亀戸老人福祉センター)で、月に1度「亀戸ふれあい食堂」が開催されています。
亀戸は比較的外国人居住者が多く、また亀戸3丁目に「母子生活支援施設 パークサイド亀島」があり、子育て支援に関してさまざまなニーズがあるかと思います。
そのため、亀戸駅からより近い地域に「かめっこ ほーむず」を開設し、「孤食や偏食の軽減」や「社会的孤立の解消」をミッションとした活動をスタートさせます。
私ごとですが、約16年間活動した「障がい者福祉」の世界から離れ、約1年半が経過しました。現在は「配送業界」で活動しておりますが、その活動にやりがいを感じつつも、物足りなさも感じる悶々とした日々を過ごしています。40歳越えて、生まれも育ちも亀戸の私が、残りの人生での軌跡や自己実現を考えた際、余生は亀戸のために力を使いたいと思い、大好きな亀戸で何かできないか、何ができるのかを考えていました。
私の家庭は共働きで2人のこどもがおりますが、同じマンションに住む「母(ばあば)」に全面的に依存しています。「母(ばあば)」の存在がなければ、夫婦で働き続けながら、子育てをすることは困難な実情です。特に「食事」はその準備も含め大変苦労をかけています。
保護者の両親がすぐ近くに住んでいる環境であっても、「食事」に関して少なからず苦労している現実があります。また、保護者のどちらかが休日(特に私(パパ)が休日)の時の食事や、普段の仕事からの帰宅後の食事は、「偏食」になりがちです。
保護者の両親が近くに住んでいない環境で、共働き家庭やひとり親家庭での「食事」は、「孤食」や「偏食」になりやすく、食事に関するニーズがあるのは想像に難くありません。
そのような現実やニーズがある中で、近くに「かめっこ ほーむず」のような「資源」があれば、こどもの「にこにこ」だけでなく、関わる人すべての「にこにこ」につながるのではないかという思いに至りました。その資源を創造し、 「孤食」や「偏食」などのニーズを軽減するためには、現役の子育て世代自らが、自分のこととして声をあげ、具体的に動き出すことが大事だと思いました(当事者性)。
当面は、「亀戸北地区集会所」(江東区亀戸4-21-18)を使用する予定ですが、将来は「亀戸駅徒歩7分のところに、私の両親が経営する「エスポワール亀戸」というマンションを活用できたらという野望があります。現在マンションの1階のテナントには飲食レストランや歯医者が入っています。駅近かつ商店街の一角にある利便性から、将来そこを活用することが、一つの「資源」、「自己実現」、「地域貢献」になると思っています。
また、そこが利用できるならば、昨今自然災害が続発しており、平時の緊急時(こどものトイレや授乳スポットなど)だけでなく、発災の緊急時(食料備蓄やトイレの問題など)にも対応できる「資源」にしたいと思います。
さらに、約16年間の「障がい者福祉」での経験で、障がいのある方々の就労を取り巻く現実を知りました。特に福祉作業所や就労継続支援施設で働いている(いわゆる「福祉的就労」)方々の「工賃(給与)」が、あまりにも低いという現実があります。その現実を少しでも改善できるよう、「かめっこ ほーむず」の活動をしていない日中の時間帯は、障がいのある方々の「自主生産品の販売」や「実習の拠点」として活用できないかと思っています。
現在、「こども」や「障がいのある方々」を主体とした、「かめっこ ほーむず」の活動ができないか模索しています。
特に子育て世代は、働き盛りでもあり、また子育て真っ最中での活動は、困難を極めるかと思いますが、「ママ友」や「障がいのある方・じいじ・ばあば」、「学生やボランティア」などにきちんと「依存」しながら活動すれば、やってやれないことはないと思います。きちんと「依存」しつつも、たとえ「スモールステップ」でも、主体的に活動することは、いまや一つの「自立」の形であります。
「かめっこ ほーむず」の活動が、亀戸の憩いの居場所や食卓となり、保護者自身のレスパイトやさまざまな方々との交流の機会になる可能性があります。
それにより、こどもやその保護者だけでなく、そこで関わる人すべての「にこにこ」や「孤立」の解消につながると良いなあと思います。
また、「交流」という名の関係者との飲み会もごく!?たまにできたらと思います。飲みあえることは、関わる人すべての「にこにこ」という報酬に次ぐ、至福な「報酬」であり、「孤立」の解消にもなります。
長文となりましたが、趣旨書をご拝読くださり誠にありがとうございました。
まだまだ、種を植えつける前の段階であり、至らぬ点が多々あります。芽が出て、すくすくと育つには、かなりの時間を要するかと思いますが、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。